「少し痛いだけだから大丈夫」が一番心配です
スポーツをしていると、身体のどこかに痛みが出ることがあります。
「ちょっと肘が痛い」
「投げ始めだけ痛い」
「練習後だけ痛い」
「テニスをした翌日に肘が痛む」
この程度なら、
「少し休めば治るかな」
「これくらいなら大丈夫」
と、そのまま競技を続けてしまう方も多いのではないでしょうか。
特に学生の場合、
「レギュラーから外れたくない」
「大会に出たい」
「チームに迷惑をかけたくない」
という気持ちがあります。
だからこそ、痛みを隠してしまうこともあります。
しかし、
痛みが小さいうちに身体の状態を確認することは、スポーツを長く続けるためにも大切です。
今回は、野球肘・テニス肘について、そして「早めのケア」がなぜ大切なのかについてお話しします。
野球肘とは?
「野球肘」という名前から、
「野球をしている人なら誰でもなるもの」
と思われるかもしれません。
野球肘は一つの病名ではなく、投球動作の繰り返しによって起こる肘周辺の障害をまとめて表現したものです。
日本整形外科学会によると、成長期にボールを投げすぎることで肘に負担がかかり、痛みや肘の動かしにくさなどが生じることがあります。
肘の内側・外側・後方など、障害が起こる場所もさまざまです。
そのため、
「肘が痛い=単なる筋肉痛」
と決めつけることはできません。
テニス肘とは?
テニス肘は、正式には「上腕骨外側上顆炎」と呼ばれます。
テニスをしている人だけに起こるわけではありません。
手首を使う動作や、物を持ち上げる動作、タオルを絞る動作などで肘の外側から前腕に痛みが出ることがあります。
例えば、
「ラケットを振ると肘が痛い」
「重いものを持つと肘が痛い」
「ペットボトルを持ち上げると痛い」
「タオルを絞ると痛い」
などの症状がある場合は、一度身体の状態を確認してみましょう。
野球肘とテニス肘に共通すること
一見すると、野球肘とテニス肘はまったく違うものに感じます。
しかし共通しているのが、
肘に繰り返し負担がかかっている
という点です。
同じ動作を何度も繰り返す。
↓
身体の一部に負担が集中する。
↓
小さな違和感や痛みが出る。
↓
それでも同じ動作を続ける。
↓
さらに負担が積み重なる。
という状態になってしまうことがあります。
だからこそ、
「痛みが強くなってから対処する」のではなく、「違和感が出た段階で身体を見直す」
ことが大切です。
「痛くても投げられる」は安心材料ではありません
特に野球をしている学生に伝えたいのが、このポイントです。
「痛いけど投げられるから大丈夫」
と思っていませんか?
実際には、肘に痛みや動かしにくさがあるにもかかわらず投球を続けることで、障害が悪化するケースがあります。
日本整形外科学会も、野球肘では痛みを我慢して投球を続けると障害が悪化し、症状によっては手術が必要になることもあるとしています。
つまり、
投げられる=問題がない
ではありません。
むしろ、
「まだ投げられるけど痛い」
という段階で、一度立ち止まって身体を確認することが大切です。
特に成長期の選手は注意が必要です
成長期の身体は、大人の身体とは違います。
骨が成長している途中であり、スポーツによる繰り返しの負荷が肘にかかることで、さまざまな障害が起こる可能性があります。
日本整形外科学会も、成長期の野球肘について、肘の痛みだけでなく肘の可動域の左右差などにも注意し、異常があれば整形外科を受診することを勧めています。
そのため、
「部活だから仕方ない」
「みんな痛いって言っている」
「成長期だから痛いだけ」
と片付けないことが重要です。
こんな症状があるなら早めに確認しましょう
次のような症状がありませんか?
□ 投球すると肘が痛い
□ 練習後に肘が痛くなる
□ ラケットを振ると肘が痛い
□ 物を持つと肘が痛い
□ タオルを絞ると痛い
□ 肘が伸ばしにくい
□ 肘が曲げにくい
□ 左右で肘の動きが違う
□ 同じ場所の痛みを何度も繰り返している
□ 痛みがあるのに練習を続けている
一つでも気になる項目がある場合は、
「そのうち治るだろう」だけで済ませない
ことをおすすめします。
なぜ「早めのケア」が大切なのか?
理由はシンプルです。
身体への負担が小さい段階なら、
練習量や動作、身体の使い方などを見直すきっかけにできるからです。
例えば、
「投げると少し痛い」
という段階で気づけば、
投球量を調整する。
休養を取る。
身体の状態を確認する。
必要に応じて医療機関を受診する。
といった対応を考えることができます。
一方、
「痛みが強くなってから」
では、競技を長期間休まなければならない状況になる可能性もあります。
だからこそ、
早めに気づくことそのものが、スポーツ障害への大切な対策になります。
「肘が悪い=肘だけが原因」とは限りません
ここは、にしむら整体院が特に大切にしている部分です。
野球の投球動作を考えてみましょう。
ボールを投げるとき、動いているのは肘だけではありません。
足。
股関節。
骨盤。
背中。
肩。
肘。
手首。
これらが連動して動きます。
テニスのスイングでも同じです。
足で地面を捉え、
身体を回旋させ、
肩が動き、
肘や手首へ力が伝わります。
つまり、
身体全体の動きの中で肘が働いている
ということです。
身体のどこかが動きにくいと、肘に負担が集中することも
例えば、
股関節が動きにくい。
↓
身体を十分に使えない。
↓
上半身で動きを補う。
↓
肩や肘への負担が増える。
ということも考えられます。
もちろん、すべての肘の痛みがこのパターンで起こるわけではありません。
だからこそ、実際に身体を確認することが重要です。
肘の痛みがあるからといって、
「肘だけをケアすればいい」
とは限りません。
肩甲骨や背中の動きも確認してみましょう
投球やラケットスポーツでは、肩甲骨や背中の動きも重要です。
肩甲骨がスムーズに動く。
背中が適切に回旋する。
股関節が動く。
足で地面を捉えられる。
こうした動きが連動することで、身体全体を使った動作につながります。
逆に、どこかの動きが制限されている場合、その分を別の場所が補っている可能性があります。
その結果として、肘への負担が増えていないか。
こうした視点も大切です。
「肘を揉めばいい」だけではありません
肘が痛いと、
「肘周りをマッサージしよう」
と考える方もいるでしょう。
もちろん、筋肉の状態を確認することは大切です。
ただし、
なぜ肘に負担が集中しているのか?
という部分を考えなければ、同じ負担を繰り返してしまう可能性があります。
肘だけではなく、
- 肩
- 肩甲骨
- 背中
- 股関節
- 足首
- 身体の左右差
- 動作の連動性
なども含めて身体を見ていくことが重要です。
部活を頑張る学生ほど「休むこと」を怖がらないでください
「休んだらレギュラーから外れる」
「練習についていけなくなる」
「大会に出られなくなる」
そんな不安を感じる学生もいるでしょう。
その気持ちは決しておかしくありません。
本気でスポーツをしているからこそ、休みたくないのだと思います。
しかし、
痛みを我慢して無理を続けた結果、長期間競技から離れる
ことになってしまえば、それこそ大きな損失です。
日本整形外科学会も、運動器の異常を「運動を続けられなくなるから」と軽視・隠してしまうことへの懸念を示しています。
休むことは、
スポーツを諦めることではありません。
長くスポーツを続けるための選択肢です。
保護者の方にも知ってほしい「小さな痛み」
お子さんから、
「ちょっと肘が痛い」
と言われたら、
「部活で使いすぎたんじゃない?」
だけで終わらせないでください。
特に、
・同じ場所が何度も痛くなる
・肘が伸びにくい
・肘が曲げにくい
・投球後に痛みが強くなる
・痛みを隠して練習している
という場合は、早めに状態を確認することが大切です。
成長期の野球肘では、痛みが続いたり肘の動きに左右差があったりする場合、専門医への受診がすすめられています。
テニス肘も「使い続けながら我慢」は避けたい
テニス肘は、テニスだけでなく手や腕を繰り返し使う人にも起こります。
仕事で手をよく使う。
重いものを持つ。
ラケットを振る。
工具を使う。
パソコン作業をする。
こうした動作の繰り返しで、肘周辺に負担がかかることがあります。
日本整形外科学会では、テニス肘の保存療法として、手首や指のストレッチ、スポーツや手をよく使う作業を控えることなどを挙げています。
つまり、
痛みがあるのに、痛みを無視して同じ動作を続ける
ことは避けたいところです。
早めのケア=「すぐ施術」ではありません
ここも非常に大切です。
「早めにケアしましょう」
というと、
「じゃあ整体に行けばいいんですね」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、肘の痛みにはさまざまな原因があります。
特に、
- 強い痛み
- 腫れ
- 肘が動かしにくい
- 急に動かせなくなった
- しびれがある
- スポーツをすると痛みが強くなる
- 成長期の子どもで肘の痛みが続く
などの場合には、まず整形外科などの医療機関で状態を確認することが大切です。
野球肘はX線やMRIなどを用いて診断されることがあります。
診断が必要な症状を自己判断だけで済ませない。
これが最優先です。
にしむら整体院では身体全体の動きを確認します
医療機関で必要な評価を受けたうえで、
「身体の使い方を見直したい」
「スポーツを再開するためにコンディションを整えたい」
「同じ負担を繰り返さないように身体を見てほしい」
という場合には、身体全体の動きを確認することも大切です。
にしむら整体院では、肘だけを見るのではなく、
- 肩関節
- 肩甲骨
- 背中
- 股関節
- 足首
- 身体の左右差
- 関節の動き
- 全身の連動性
などを確認します。
「肘が痛いから肘だけ」
ではなく、
「なぜ肘に負担が集中しているのか?」
という視点から身体を考えます。
「結果・根本・本質」の3つから身体を考える
当院では、
① 結果
現在感じている肘の痛みや身体のつらさに対してアプローチします。
② 根本
肘だけでなく、肩・背中・股関節・足など、身体全体の関節の動きや連動性を確認します。
③ 本質
アキュスコープ・マイオパルスなども活用しながら身体の状態を確認し、身体本来の回復しやすい状態を目指します。
ただし、野球肘・テニス肘の診断や治療そのものは医療機関で行うものです。
必要に応じて整形外科などを受診し、そのうえで身体のコンディショニングを考えていきましょう。
「痛くなってから」ではなく「違和感の段階」で
スポーツをしていると、
「今日はちょっと肘が変だな」
という日があるかもしれません。
そのときに、
「まあ大丈夫」
で終わらせるのではなく、
「最近、投球数が増えていないかな?」
「疲労が溜まっていないかな?」
「身体の動きが悪くなっていないかな?」
「睡眠は足りているかな?」
と、自分の身体を振り返ってみましょう。
身体の小さな変化に気づくことも、スポーツ選手にとって大切な能力です。
ケガを防ぐために「休養」もトレーニングです
スポーツが上手くなりたい。
もっと速い球を投げたい。
もっと強いショットを打ちたい。
もっと試合で活躍したい。
そう思うほど、練習量を増やしたくなるでしょう。
でも、
身体は練習している時間だけ成長するわけではありません。
休養し、栄養を取り、睡眠を取り、身体が回復する時間も重要です。
特に成長期の学生は、
練習・栄養・睡眠・休養
をセットで考えてみましょう。
肘の痛みを「当たり前」にしない
スポーツをしていると、
「肘が痛いのは仕方ない」
「みんな痛いと言っている」
という空気になってしまうことがあります。
でも、本当にそうでしょうか?
痛みは身体からのサインです。
もちろん、すべての痛みが重大な障害というわけではありません。
しかし、
繰り返す痛みや動かしにくさを放置しない
ことは大切です。
早めに気づく。
必要なら医療機関で確認する。
練習量を見直す。
身体の動きを確認する。
休養を取る。
こうした積み重ねが、長くスポーツを続けるための土台になります。
まとめ|野球肘・テニス肘は「早めに気づく」が大切
野球肘やテニス肘は、
「痛くなったら考える」
のではなく、
「痛みや違和感が出た段階で身体を見直す」
ことが大切です。
特に成長期の野球選手は、肘の痛みや動かしにくさを我慢して投球を続けないことが重要です。
そして、肘の負担を考えるときには、
肘だけではなく身体全体を見る。
肩。
肩甲骨。
背中。
股関節。
足。
そして、それらの連動性。
身体は一つにつながっています。
「まだ大丈夫」と我慢するのではなく、
「これからも好きなスポーツを続けるために、今の身体を大切にする」
という考え方を持ってみてください。
関連記事
ご予約・お問い合わせ
「野球をすると肘が痛い」
「投球後に肘が痛くなる」
「テニスをすると肘が痛い」
「肘の痛みを繰り返している」
「スポーツを休んだ後、どうやって復帰すればいいか不安」
そんな方は、一度身体全体の状態を確認してみませんか?
肘の痛みが続いている場合や、肘が動かしにくい場合は、まず整形外科などの医療機関へご相談ください。
そのうえで、身体全体の関節の動きや連動性、コンディションを見直し、スポーツを続けるための身体づくりをサポートします。
熊本市のにしむら整体院では、スポーツを頑張る学生から一般のスポーツ愛好家まで、身体全体の動きを確認しながらコンディショニングを行っています。
「まだ大丈夫」と我慢する前に。
早めに身体と向き合うことが、長くスポーツを楽しむための第一歩です。⚾🎾
参考情報
公益社団法人 日本整形外科学会「野球肘」
公益社団法人 日本整形外科学会「テニス肘(上腕骨外側上顆炎)」
公益社団法人 日本整形外科学会「保護者・養護教諭・学校医向けFAQ」
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