本日は、子供の肘内障についてお話いたします。
肘内障と聞いて、みなさんは何のことだか分かりますか?
肘内障とは、簡単に言うと、肘が抜けてしまう、いわゆる脱臼のような状態のことです。
専門的に言うと、肘にある橈骨輪状靭帯という靭帯が抜ける(ズレる)状態(亜脱臼)のことです。
肘内障に関しては、橈骨輪状靭帯という靭帯が発達していないことが原因であるため、大人ではほぼ起こりません。
肘内障の約50%が、子供と手を繋いでいる時に急に子供が走り出した際や、子供が転びそうになった時に繋いでいた手を引っ張ってしまった際に起こります。
残りの約50%は、子供が転んだ際に手をついた時や腕を捻った時、肘を打った時に起こります。
肘内障が起きると腕が動かせなくなるので、腕をだらんと下げた状態になります。
無理に動かそうとして痛みが出て大泣きしてしまう子もいれば、動かせずにどうしたらいいか分からず、放心状態のような子もいます。
肘内障は、その場で整復が出来ると改善します。
整復する動作は、動かしながらやるため、多少の痛みを伴います。
痛みは伴うのですが、ほとんどの場合で数秒で整復出来ます。
整復出来ると痛みが消え、動かせるようになるため、ほぼ100%、肘内障になっていた子供自身と連れて来ていた親御さんに驚かれます。
整復に関してなのですが、インターネットで調べるとやり方が載っていたりします。
ですが、素人の方が行うのは大変危険ですので、絶対にやらないでください。
実際に、国家資格を持っている人の中でも、やり方が分かっているけど大半の方が肘内障を整復したことがありませんし、なおかつ実際に整復しようとすると痛みで子供が大泣きするためなかなか思い描いている通りには出来ません。
しかも中には、肘内障ではなく骨折している場合もあるので、そこの見極めも完璧に出来ないと整復は出来ません。
最悪の場合、元に戻らずに手術をしないといけなくなることもありますので、素人判断での整復は絶対にやめてください。
肘内障に関しての予防は、ほぼ不可能です。
出来ることと言えば、子供が急に走り出さないように警戒しておくことと、子供と手を繋いでいる時に子供が転倒しそうになったら極力手を引っ張り上げないということくらいです。
しかし、急に走り出すのを予想するのは困難ですし、子供が転倒する時にそんな冷静に対処出来る人はなかなかいません。
ですから、肘内障になってしまった際に、きちんと整復出来る信頼出来る場所に施術に行くということがとても大事です。
お子さんが肘内障かもしれないなと思った場合に、整形外科や整骨院や整体院を探すと思いますが、きちんとした整復が出来る場所を見極める方法があります。
それは、
「子供が肘内障になってしまったのですが、そちらの先生で肘内障の整復の経験がある先生はいますか?」
と直接電話で聞くことです。
整復の経験がある先生がいるとなった時には、
「その先生は、今までに何回くらいの整復の経験がありますか?」
と聞くのもいいと思います。
その回答をもとに、足を運ぶか決めてみてください。
ちなみに私はというと、今までに3回の肘内障の整復の経験があります。
(そのうちの1件は、整復する直前に嫌がられた際に、自然に整復されていました)
3回と言うと、少ないように感じるかもしれませんが、1回でも肘内障の整復をしたことがある先生自体がとても少ないということを踏まえて、私のこの3回の経験が多いか少ないかを判断していただければと思います。
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